習慣が途切れた時 失敗と捉えない心の切り替え方
習慣が途切れても大丈夫。「失敗」と自分を責めていませんか?
読書やストレッチ、資格の勉強など、良い習慣を始めようと決意し、数日あるいは数週間続けられたのに、忙しさや予期せぬ出来事でつい習慣が途切れてしまった。そして、「あぁ、またダメだった」「やっぱり自分は続かない人間だ」と、がっかりしたり、自分を責めたりしていませんか。
特に、家事や育児、お仕事など、日々多くのタスクを抱えていると、自分のための時間は後回しになりがちです。せっかく始めた習慣も、突発的な用事が入ったり、疲れてしまったりすると簡単に中断してしまいます。一度途切れると、「完璧に続けられなかった」という気持ちから、再開へのハードルが高く感じてしまうかもしれません。
でも、安心してください。習慣が途切れることは、決して珍しいことではありません。むしろ、長く習慣を続けている人のほとんどが、途中で何度も中断を経験しています。大切なのは、途切れたこと自体を「失敗」と決めつけず、そこからどう立て直すか、という考え方です。
この記事では、習慣が途切れた時に「失敗ではない」と捉え方を変えるための心の切り替え方と、再開に向けたシンプルな一歩についてお話しします。
なぜ習慣が途切れると「失敗」だと感じてしまうのか
私たちは、「始めたことは完璧に続けなければいけない」「一度決めたら休まず実行すべきだ」といった考え方にとらわれがちです。このような「完璧主義」の考え方があると、習慣が少しでも中断すると、まるで全てが台無しになってしまったかのように感じてしまいます。
これは、習慣化を「一度始めたらゴールまで一直線に進むマラソン」のように考えていることが原因かもしれません。しかし、私たちの日常には、予期せぬ坂道があったり、急な立ち止まりが必要になったりすることがあります。
習慣が途切れるのは、あなたの意思が弱いからでも、能力がないからでもありません。それは、あなたの日常生活が流動的であり、時に計画通りに進まないのが当たり前だからです。家事や家族の用事、お仕事など、優先すべきことが急に発生すれば、自分の習慣の時間が取れなくなるのは当然のことなのです。
途切れたことを「失敗」と捉えてしまうと、自己肯定感が下がり、「どうせまた途切れるだろう」という気持ちになって、再開する気力が湧きにくくなってしまいます。この「失敗」という考え方こそが、再開を妨げる一番の壁になることがあります。
習慣の中断を「失敗ではない」と捉える心の切り替え方
では、習慣が途切れた時に、どのように心を切り替えれば良いのでしょうか。いくつかシンプルで効果的な考え方をご紹介します。
1. 途切れた事実を淡々と受け止める
習慣が途切れたことに気づいたら、まず「あ、今日はできなかったな」と、起きた出来事を客観的に受け止めましょう。「できなかった自分はダメだ」といった感情的な評価は一旦脇に置きます。
例:「今日はストレッチできなかったな。疲れて寝てしまったから仕方ないか。」のように、理由があってもなくても、ただ事実だけを認めます。
2. 「なぜ」ではなく「次どうするか」に焦点を当てる
なぜ途切れてしまったのか、原因を深く掘り下げて自分を責めるのはやめましょう。忙しい中、原因を分析するのは大変ですし、過去を変えることはできません。それよりも、「明日、あるいは明後日、どうやって再開しようかな?」と、次に取る行動に意識を向けます。
例:「なぜストレッチできなかったんだろう…時間がなかった?疲れてた?計画が甘かった?」と考える代わりに、「明日は朝起きたらすぐに5分だけやってみようかな」と、次にできることを考えます。
3. 中断期間も「準備期間」と考える柔軟さを持つ
習慣が数日や数週間途切れたとしても、それまでの取り組みが無駄になるわけではありません。その中断期間は、もしかしたら心や体を休めるための必要な期間だったのかもしれません。あるいは、次に再開するためのエネルギーを蓄える期間だったと捉え直すこともできます。
例:読書習慣が1週間途切れたとしても、「この1週間はちょっと忙しかったけど、また再開するエネルギーは溜まったぞ」のように考えます。
4. 「ゼロか100か」ではなく「できたらOK」の基準に変える
完璧に毎日続けなければ意味がない、という考えを手放しましょう。たとえ数日おきでも、たとえ短い時間でも、再開できたこと自体を小さな成功とみなします。一度でも再開できたら、「できた!」と自分を褒めてあげてください。
例:毎日30分読書する習慣が途切れても、「今日は忙しかったけど、寝る前にたった3ページだけ読めた!よし!」と、できたことを評価します。
5. 再開のハードルを最小限まで下げる
再開する時に、「完璧に」「最初から計画通りに」やろうとすると、心が重くなります。再開のハードルをこれ以上ないほど下げましょう。例えば、習慣に関係する物に触れるだけ、場所に立つだけ、たった1回だけ行う、などです。
例:ストレッチなら「ヨガマットの上に立つだけ」、読書なら「本の表紙を見るだけ」、勉強なら「参考書を開くだけ」でも再開の第一歩としてOKとします。
忙しい日常で役立つ、シンプルに再開するアイデア
「失敗ではない」と心を切り替えられたら、いよいよ再開です。忙しい中でも無理なく続けられる、具体的なアイデアをいくつかご紹介します。
- 「ついで」の行動とセットにする: 朝起きて顔を洗ったついでにストレッチを1分、お茶を淹れたついでに本を1ページ開く、夕食の片付けが終わったついでに勉強机に座る、など、すでに習慣になっている行動の直後にセットすると、再開しやすくなります。
- 目につく場所に「合図」を置く: 習慣に使う道具(例えば本の栞、ストレッチウェア、参考書など)を目につく場所に置いておくと、それを見るたびに「あ、再開しようかな」と思い出すきっかけになります。
- タイマーを「最初の5分」のために使う: 「よし、やろう!」と思ったら、まずはタイマーを5分だけセットしてみましょう。最初の5分を乗り越えれば、案外そのまま続けられることもあります。たとえ5分で終わっても、やらないよりはずっと良いのです。
- 手帳やカレンダーに「再開できた日」にマルをつける: 再開できたこと自体を記録することで、小さな成功体験を積み重ねられます。完璧に毎日つけられなくても、再開できた日にマルが増えていくのを見ると、励みになります。
- 「今日の最低限」を決めておく: 「今日は疲れているから、ストレッチは立ったまま3回だけ」「読書は1行だけ」のように、どんなに疲れていてもこれだけはできる、という最低ラインを決めておくと、ゼロになる日を減らせます。
まとめ:中断は「終わり」ではなく「一時停止」と捉えよう
習慣が途切れることは、あなたが頑張っている証拠です。忙しい日常の中で、自分のための時間を作ろうと努力しているからこそ、中断が発生することもあります。それを「失敗」と捉えて自分を責めるのではなく、「今は一時停止の時期だったんだな」と柔軟に受け止めましょう。
そして、「失敗ではない」と心を切り替えたら、ほんの小さな一歩から再開してみてください。完璧を目指す必要はありません。ほんの少しでも、再開できた自分を褒めてあげましょう。
習慣の継続は、一本の線をまっすぐ引き続けることではなく、時に途切れながらも、また線を書き始めることの繰り返しです。あなたなら、きっとまた線を書き始めることができます。焦らず、自分に優しく、あなたのペースで、習慣を再開させていきましょう。応援しています。