習慣が途切れた時 「とりあえず」始める思考で再開するコツ
習慣が途切れても大丈夫。「とりあえず」の一歩を踏み出す考え方
毎日続けようと決めた習慣が、忙しさや予期せぬ出来事で途切れてしまった時、「あぁ、もうダメだ」「やっぱり自分には無理なんだ」と、がっかりしたり、自分を責めてしまったりすることはありませんか？ 特に、完璧にこなすことを目標にしている方ほど、一度途切れただけで全てが台無しになったように感じてしまい、再開への意欲を失いがちかもしれません。
でも、安心してください。習慣が途切れることは、決して珍しいことではありません。むしろ、私たちの日常生活は変化に富んでおり、計画通りに進まないことの方が普通なのかもしれません。大切なのは、途切れた事実を必要以上に重く受け止めず、どうやってまた一歩を踏み出すか、その「再開」に目を向けることです。
この記事では、習慣が途切れた時に役立つ、「完璧を目指さず、まずは『とりあえず』始める」という考え方と、それを実践するための具体的なコツをご紹介します。
なぜ「とりあえず」が習慣再開に有効なのか？
習慣が途切れた後、再開を難しく感じる理由の一つに、「また最初から完璧にやらなければ」という気持ちがあります。例えば、「毎日30分読書する」と決めていた習慣が途切れた場合、「また明日から30分読まなきゃ」と思うと、それが負担に感じられ、なかなか始められないことがあります。
ここで「とりあえず」という考え方が役立ちます。「とりあえず」始めるというのは、「質や量、完璧さにこだわらず、まずは行動そのものに手をつける」ということです。
なぜ、この「とりあえず」が習慣再開に有効なのでしょうか。
- 心理的なハードルを下げる: 「完璧に30分」ではなく「とりあえず1ページだけ」なら、ぐっと始めやすくなります。「これくらいならできるかも」と感じられるため、行動への抵抗感が減ります。
- 「始める」こと自体に価値を置く: 習慣化において最も難しいのは「始める」ことです。「とりあえず」でも良いので、一度始められれば、その後の行動につながりやすくなります。
- 勢いがつく: 短時間でも、あるいは不完全な形でも、一度始めてしまえば、そのまま続けてみようという気持ちになりやすいものです。
- 自分を責める気持ちを和らげる: 「完璧にできなかった」ではなく「とりあえずできた」という事実に目を向けられるため、失敗感や罪悪感が軽減されます。
「とりあえず」を実践するための具体的なコツ
では、実際に習慣が途切れた時に「とりあえず」始めるためには、どのような工夫ができるでしょうか。忙しい日常の中でも実践しやすい、シンプルなコツをご紹介します。
1. 時間を極端に短くする
「毎日30分読書」なら「とりあえず1ページだけ開く」、「毎日20分ストレッチ」なら「とりあえず1ポーズだけやってみる」など、必要な時間を最小限にまで短く設定します。時間の確保が難しい日でも、「1分だけならできるかも」と思えるレベルまでハードルを下げてみましょう。
2. 場所や道具を「とりあえず」バージョンにする
決まった場所や道具が必要な習慣でも、こだわらずに「とりあえず」始められる方法を考えます。例えば、本格的な筋トレが途切れたら、マットを敷くのも面倒な時はリビングで簡単なスクワットだけやってみる。いつも使っている本が見つからない時は、代わりに近くにある雑誌を「とりあえず」開いてみる。このように、完璧な環境が整っていなくても、すぐに始められる代替策を用意しておくと良いでしょう。
3. 「準備」を最小限にする、あるいはなくす
習慣を始めるために必要な準備が多いと、それが再開のハードルになります。運動前の着替え、道具の用意、場所の片付けなど、これらの準備を「とりあえず」は省略できないか考えます。例えば、着替えずにそのままストレッチする、道具は完璧に揃えず、あるものだけで済ませる。準備に時間をかけず、すぐに「行動」に移れるように工夫します。
4. 目標を「行動したかどうか」に切り替える
習慣の目的（例: 痩せる、知識を増やす）とは別に、再開時の目標を「とりあえず、その行動に手をつけること」自体に切り替えます。例えば、「今日は1ページ読む」ではなく、「今日は本を机の上に置く」や「本を開く」を目標にしてみる。このように、結果ではなく「行動したかどうか」で評価することで、小さな一歩を踏み出しやすくなります。
5. 再開の「きっかけ」を身近なものとセットにする
「とりあえず」始めるためのきっかけを、日常の中で必ず行う行動とセットにします。例えば、
- 洗い物が終わったら「とりあえず」ストレッチを1ポーズ
- お茶を淹れたら「とりあえず」本を1ページ開く
- テレビCMの間だけ「とりあえず」スクワットを5回
このように、すでに習慣になっている行動の「ついでに」行うように設定すると、再開を思い出しやすく、スムーズに「とりあえず」の一歩が踏み出せます。
「とりあえず」の一歩を踏み出したら
「とりあえず」でも一歩踏み出せたら、まずは自分を褒めてあげてください。「完璧ではなかったけれど、また始めることができた」という小さな成功体験が、次の再開への自信につながります。
そして、「とりあえず」で終わっても良いのです。「今日は1ページだけだった」「ストレッチは1ポーズだけだった」それでも構いません。重要なのは、途切れた習慣に再び触れることができた、という事実です。
もし余裕があれば、カレンダーに「とりあえず」できたことを簡単に記録してみましょう。完璧にできた日だけでなく、「とりあえず」でも続けた日が積み重なることで、自分の頑張りが見える化され、モチベーションの維持に役立ちます。特別な記録ツールは必要ありません。手帳やカレンダーに簡単な印をつけるだけでも十分です。
完璧じゃなくていい。再開を繰り返しながら定着させる
習慣の定着は、一直線に進むものではありません。途切れること、計画通りにいかないことは当たり前です。大切なのは、途切れた時に自分を責めて諦めるのではなく、「とりあえず」の一歩で何度も再開を繰り返すことです。
今日「とりあえず」始めたことが、明日も「とりあえず」につながり、気がつけば自然と習慣に戻っているかもしれません。あるいは、またすぐに途切れてしまうこともあるでしょう。それでも大丈夫です。その時はまた、何度でも「とりあえず」から始めれば良いのです。
「完璧でなくても大丈夫」という心のゆとりを持ち、「とりあえず」の一歩を大切にすることで、習慣はあなたの無理のないペースで、少しずつ日常に根付いていくはずです。