習慣が途切れても大丈夫 他人と比べずマイペースで再開するコツ
はじめに:習慣が途切れた時の「比べてしまう」気持ち
毎日続けようと決めた習慣が、思わぬ事情で途切れてしまった時、「どうして自分は続かないんだろう」と落ち込んだり、周りの人はもっとちゃんとできているんじゃないか、とつい他人と比べてしまったりすることはありませんか。
忙しい日々の中で、自分の時間を作るだけでも大変なのに、せっかく始めた習慣まで途切れてしまうと、がっかりしたり、自分を責めてしまったりする気持ちは、決して特別なものではありません。多くの方が同じような経験をしています。
しかし、こうした「比べてしまう」気持ちや、自分を責めることが、実は習慣の再開をさらに難しくしてしまうことがあります。今回は、習慣が途切れた時に、他人と比べたり自分を責めたりせず、自分らしいペースで無理なく再開するための考え方や具体的なコツをご紹介します。
なぜ「比べること」が習慣再開の妨げになるのか
私たちは無意識のうちに、理想の自分や、SNSで見かける誰かの完璧に見える日常と自分を比べてしまいがちです。特に習慣化の分野では、「毎日欠かさず続けている人」や「目標を達成している人」の姿が目につきやすく、それと比べて今の自分ができていないと感じると、必要以上に落ち込んでしまいます。
この「比較」から生まれるネガティブな感情(自己嫌悪、劣等感、焦り)は、行動を起こすためのエネルギーを奪い、「どうせ自分には無理だ」「今さら始めても遅い」といった諦めにつながってしまいます。また、過去の「完璧にできていた自分」と比べることも、今の状況とのギャップに苦しみ、再開へのハードルを上げてしまう原因となります。
習慣の再開に必要なのは、こうしたネガティブな感情に囚われることではなく、「じゃあ、今日からどうするか?」という前向きな一歩です。そのためには、「他人と比べない」という意識を持つことが非常に大切になります。
他人と比べずマイペースで習慣を再開するための5つのコツ
習慣が途切れてしまった後、無理なく自分らしいペースで再開するために、ぜひ試していただきたい5つのコツをご紹介します。
1.比べる対象を「他人」から「過去の自分」へ、さらに「今の自分」に変える
まず、他人や理想の誰かと比べるのはやめましょう。そして、習慣が途切れる前の「順調だった自分」とも比べすぎないようにします。比べるべきなのは、「今の自分」です。
「今の自分は、何ならできそうか?」と考え、昨日や一週間前の自分よりも、ほんの少しでも良いから前に進むことを目標にします。他人の進捗は関係ありません。自分の小さな変化や成長に目を向けることで、自己肯定感を保ちやすくなります。
2.完璧主義を手放し、「できたこと」に焦点を当てる
「毎日欠かさずやる」「決めた量をすべてこなす」といった完璧を目指す考え方が、一度途切れた時のプレッシャーになります。習慣が途切れたら、「今日は全部できなくてもいい。これだけはやってみよう」と、できた部分に目を向けましょう。
例えば、読書なら「1ページだけ読む」、ストレッチなら「簡単なポーズを1つだけ」など、たとえ短時間でも「できた」という事実が、再開の自信につながります。「できなかったこと」を数えるのではなく、「できたこと」を積極的に見つける練習をしましょう。
3.再開のハードルを極限まで下げる
習慣を再開する際、「また以前のようにできるようになるまで頑張ろう」と意気込むと、そのハードルの高さに圧倒されてしまいがちです。まずは「これなら絶対にできる」という、極めて小さな一歩から始めます。
読書習慣なら「本を開く」、ウォーキングなら「玄関を出る」、勉強なら「参考書を机の上に置く」など、もはや失敗しようがないレベルまでハードルを下げてみてください。この「最初の小さな行動」をクリアすることを毎日の目標にすることで、「できた」という感覚を積み重ねやすくなります。特別なツールや場所は必要ありません。今の自分が、今の場所で、すぐにできることを見つけましょう。
4.「途切れて当たり前」のマインドを持つ
習慣化の道のりは、決して一直線ではありません。仕事が忙しい時期、体調を崩した時、家族の用事が重なった時など、計画通りに進まない日は必ずあります。習慣が途切れることは、失敗ではなく、「そういう日もあるよね」という自然な出来事として受け止めましょう。
大切なのは、途切れた後にどれだけ早く「再開する」か、というリカバリー能力です。「失敗したからもう終わり」ではなく、「途切れたけど、また仕切り直そう」と、柔軟なマインドを持つことが、習慣を長く続けていく秘訣です。
5.小さな成功体験を積み重ねる
毎日完璧にこなすことよりも、たとえ小さくても「できた」という成功体験を積み重ねることに意識を向けましょう。今日の目標が「本を1ページ読む」だったとして、それを達成したら、「よし、できた!」と自分を褒めてあげてください。
カレンダーに簡単な印をつけたり、手帳に「〇」を書いたりするなど、シンプルな方法で「できた日」を記録するのも効果的です。これは他人に見せるためではなく、自分の頑張りを見える化し、自己肯定感を高めるためのものです。小さな成功の積み重ねが、「自分にもできる」という自信を育み、マイペースな再開を後押ししてくれます。
自分らしいペースを見つけるヒント
忙しい日々の中で、他人と比べず、自分らしいペースで習慣を再開し、続けていくためには、生活の中に無理なく溶け込ませる工夫が必要です。
例えば、特定の時間帯にこだわらず、空いた「スキマ時間」を活用することを考えてみましょう。朝食前の5分、通勤・通学の移動時間、お昼休みの数分、寝る前の短い時間など、探せば意外と時間は見つかるものです。
また、曜日によって習慣の内容や量を柔軟に変えるのも一つの方法です。忙しい平日は「1分だけ」、比較的余裕のある週末は「もう少し長く」といったように、その日の状況に合わせて無理のない計画を立てることで、「完璧にできない自分」を責めることなく続けられます。
まとめ:比べず、責めず、小さな一歩から
習慣が途切れてしまった時、他人や理想と比べて落ち込んだり、自分を責めたりする必要は全くありません。それはあなたがダメだからではなく、忙しい現実の中で起こりうる自然なことです。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、途切れても「自分らしいペースで再開する」という粘り強さを持つことです。他人と比べるのをやめ、過去の自分とも比べすぎず、「今の自分に何ができるか?」に焦点を当てましょう。
ハードルをうんと下げて、できることから始め、「できたこと」に目を向け、自分を褒める。そして「途切れるのは当たり前」と柔軟に考える。このシンプルな考え方が、習慣再開への確かな一歩となり、忙しいあなたの日常にも無理なく習慣を溶け込ませてくれるはずです。
挫折からの復活は、特別なことではありません。あなた自身のペースで、小さな一歩から、また始めてみましょう。