習慣が途切れても大丈夫 再開を「うっかり忘れない」ための簡単な仕掛け
習慣が途中で途切れてしまうことは、誰にでも起こり得ることです。特に、家事や仕事、家族のことなど、日々の暮らしには予期せぬ出来事がたくさんあります。こうした忙しさの中で、せっかく始めた習慣(読書やストレッチ、勉強など)が中断され、気づいたら数日、あるいは数週間も手つかずになっていた、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一度途切れた習慣を再開しようと思っても、「また明日でいいかな」「どうせ続かないかも」と感じてしまったり、そもそも「習慣を再開しようと思っていたこと自体をうっかり忘れてしまう」ということも少なくありません。
ここでは、習慣が途切れてしまっても大丈夫。自分を責める必要はありません。そして、再開を「うっかり忘れてしまう」ことを防ぎ、自然と思い出せるようにするための、日常に溶け込む簡単な「仕掛け」や「工夫」をご紹介します。特別な準備や難しいことは一切ありません。
なぜ、習慣は「うっかり忘れてしまう」のか?
習慣が途切れた後に、再開を忘れてしまう主な理由としては、以下のようなことが考えられます。
- 忙しさや突発的なタスク: 目の前の用事に追われ、習慣のための時間が意識から外れてしまう。
- 再開のハードル: 一度途切れたことで、「またゼロからやり直し」「完璧にやらなきゃ」と考えてしまい、心理的に重荷になってしまう。
- 習慣化が定着しきれていない: まだ行動が自動化されておらず、意識的に「やろう」と思わないと実行されない段階である。
- 再開の「きっかけ」がない: 「いつ」「どこで」「何をしたら」習慣を再開する、という明確な合図やタイミングが決まっていない。
特に最後の「きっかけがない」こと、そして忙しさの中で意識が他のことに向いてしまうことが、「うっかり忘れてしまう」大きな原因です。そこで、私たちは意識しなくても再開を思い出せるような「仕掛け」を作ることで、この課題を乗り越えることを目指します。
習慣の再開を「思い出す」ための簡単な仕掛け
再開をスムーズにするための第一歩は、「習慣を再開しよう」と思い出すことです。ここでは、特別な道具を使わず、日常の中で簡単に取り入れられる「思い出し仕掛け」をいくつかご紹介します。
1. 物理的な「目印」を置いておく
習慣に使っている道具や、習慣を行う場所の近くに、意識を向けさせるための小さな目印を置きます。
- 例1:読書習慣
- いつも本を読む場所に、読みかけの本と目立つ色の付箋を置いておく。
- リビングのテーブルやベッドサイドなど、必ず目につく場所に本を置く。
- 例2:ストレッチ習慣
- ストレッチマットの近くに、お気に入りのタオルや飲み物を準備しておく。
- 部屋の隅にマットを敷きっぱなしにしておく(邪魔にならない程度に)。
- 例3:学習習慣
- 勉強机の上に、開いたテキストやノートを置いておく。
- 使うペンやマーカーをまとめて目立つペン立てに入れる。
これらの目印が、日常生活の中でふと目に入ったときに、「あ、そういえばこれをやろうと思っていたんだ」と思い出すきっかけになります。重要なのは、その目印が「何かを始めるための準備」であると同時に、「思い出すためのスイッチ」になることです。
2. いつもの行動に「ついでに」紐付ける
すでに日常的に行っている習慣や行動と、再開したい習慣をセットにします。「この行動が終わったら、次はこれをする」という流れを作っておくことで、最初の行動が次の習慣を思い出す合図になります。
- 例1:朝の習慣(例:軽いストレッチ)
- 「朝食を食べ終わって食器を片付けたら、そのついでにリビングのマットのところに行く」
- 「コーヒーを淹れたら、そのついでに窓を開けてストレッチを始める」
- 例2:寝る前の習慣(例:簡単な日記や読書)
- 「お風呂から上がってパジャマに着替えたら、そのついでにベッドサイドの本に手を伸ばす」
- 「歯磨きが終わったら、そのついでに手帳を開いて簡単なメモを書く」
この方法は、「トリガーとなる行動」と「再開したい習慣」を強く結びつけることで、意識せずとも次の行動に移りやすくする効果があります。「ついでに」という感覚で、ハードルを下げて始めることができます。
3. スマートフォンの通知をシンプルに活用する
特定の時間や曜日に習慣を思い出すように、スマートフォンのリマインダー機能やカレンダー機能を使います。
- 使い方:
- カレンダーに「【読書】始める」など、簡単なタイトルで予定を入れる。
- リマインダーアプリで「ストレッチの時間です」といった通知を設定する。
- ポイント:
- 細かく時間を決めすぎず、「〇時頃」や「〇〇が終わったら」といった目安で設定する。
- 通知が来たら必ずやる、と決めすぎず、「通知が来たら思い出して、もしできそうならやってみる」くらいの軽い気持ちでいる。
これは最も直接的な「思い出し」の方法ですが、通知を無視してしまうこともあります。他の仕掛けと組み合わせることで、より効果を発揮しやすくなります。
4. 手帳やカレンダーに「思い出せる印」をつける
普段使っている手帳や壁掛けカレンダーなど、必ず目にする場所に、習慣を思い出すための簡単なメモや印をつけます。
- 例:
- 今日やろうと思っている習慣の項目に、簡単な記号や色で印をつける。
- 手帳のフリースペースに「読書する」「ストレッチする」と手書きでメモしておく。
- ポイント:
- これも「やることリスト」ではなく、「思い出せるための印」として捉える。
- できたかどうかを記録することよりも、「思い出す」こと自体に焦点を当てる。
アナログな方法ですが、手書きしたり、物理的なカレンダーを見る習慣がある方には効果的です。
仕掛けを作る上での大切なポイント
これらの「思い出し仕掛け」を作る上で、以下のポイントを意識すると、より効果的に再開をサポートできます。
- シンプルであること: 複雑なルールや準備は不要です。すぐにできる、簡単な工夫を考えましょう。
- 日常の動線上に置くこと: 普段必ず通る場所、必ず見る場所、必ず使うモノの近くに仕掛けを置きましょう。
- 完璧を目指さないこと: 仕掛けを作ったからといって、毎回必ず再開できるわけではありません。思い出せたらラッキー、くらいの気持ちでいましょう。
- 自分に合った方法を見つけること: ここで紹介した以外にも、あなたの日常生活に合ったオリジナルの仕掛けを考えてみましょう。家族の協力が得られるなら、声をかけてもらうようにお願いするのも良い方法です。
忘れても大丈夫、また思い出せばいい
習慣が途切れてしまうこと、そして再開をうっかり忘れてしまうことは、決してあなたがダメなわけではありません。忙しい現代社会では、多くの人が経験することです。大切なのは、忘れてしまった自分を責めるのではなく、「どうすればまた思い出せるかな?」と前向きに工夫してみることです。
今回ご紹介した簡単な「思い出し仕掛け」は、再開への小さな第一歩をサポートしてくれます。すぐに大きな効果は感じられないかもしれませんが、繰り返し試すうちに、自然と習慣を思い出しやすくなっていくはずです。
完璧を目指さず、気楽に。まずは一つでも、あなたが「これならできそう」と思える簡単な仕掛けを試してみてください。忘れても大丈夫。また思い出せば良いのです。応援しています。