習慣が急に途切れたら? 自分を責めず「原因」をサッと考えるコツ
習慣が急に途切れても大丈夫。自分を責めないでください
毎日続けようと決めた習慣。順調に取り組んでいたのに、ある日突然、家事や仕事、ご家族のことで予期せぬ出来事が起きて中断してしまった…そんな経験はありませんか?
一度途切れてしまうと、「ああ、またできなかった」「自分は意志が弱いんだ」と、ついつい自分を責めてしまいがちです。完璧を目指していた方ほど、そう感じてしまうかもしれません。
でも、忙しい毎日の中で習慣が急に途切れてしまうのは、決して珍しいことではありません。むしろ、私たちの生活は予測不能な出来事の連続ですから、習慣が一時的にストップするのは自然なことなのです。大切なのは、そこで立ち止まって自分を責め続けるのではなく、途切れてしまった状況を冷静に受け止め、次へのヒントを見つけることだと私たちは考えています。
この記事では、習慣が急に途切れてしまったその瞬間に、自分を責めずに、なぜ途切れたのかを「サッと」振り返り、今後の習慣継続や再開に活かすための簡単なコツをご紹介します。特別な準備や難しい思考は必要ありません。いつもの生活の中で、少しだけ意識を変えるだけで取り組める方法です。
なぜ「サッと原因を考える」ことが大切なのでしょうか?
習慣が途切れた原因をその場でサッと考えることには、いくつかのメリットがあります。
- 自分を責める気持ちを和らげる: 感情的に「できない自分はダメだ」と思うのではなく、「〇〇という理由で習慣ができなかった」と事実として捉えることで、自分自身から少し距離を置いて状況を見つめられます。これは、過度な自己否定を防ぐ助けになります。
- 再開へのヒントが見つかる: なぜ途切れたのかを理解できれば、「次回はこうしてみようかな」「これはどうしようもないことだったから気にしないでおこう」といった具体的な対策や心の整理につながります。
- 完璧主義を手放すきっかけになる: 習慣が途切れるのは、予測できない出来事が起きたからかもしれませんし、あるいは少し無理のある計画だったからかもしれません。原因を考えることで、「すべてをコントロールすることはできない」「状況に合わせて柔軟で良いんだ」と気づくきっかけになります。
もちろん、急に習慣が途切れたその時は、気持ちに余裕がないかもしれません。ですから、「深く」「真剣に」考える必要はありません。「サッと」、ほんの一瞬だけ、頭の片隅で考えてみるだけで十分なのです。
習慣が急に途切れた時に「サッと原因を考える」具体的なコツ
では、具体的にどのように「サッと原因を考える」のでしょうか?
コツ1:事実ベースで、状況を言葉にしてみる
「私がだらしないからストレッチができなかった」ではなく、「子供が急に熱を出して、その対応で手一杯だった」というように、主観的な評価を入れずに、何が起こったのか、どんな状況だったのかを客観的に言葉にしてみましょう。頭の中で考えるだけでなく、心の中でつぶやいてみる、あるいはメモに書き出してみるのも良いでしょう。
- 例:「パートが急に残業になって、帰ったらもう疲れて動けなかった」
- 例:「家族の夕食準備が思いのほか時間がかかって、読書する時間がなくなった」
- 例:「ただ、なんとなくスマホを見てしまって、気づいたら時間が過ぎていた」
このように事実だけを捉えることで、「自分がダメだから」という感情論から離れることができます。
コツ2:「どうすればよかったか?」「どうしようもなかったか?」を軽く分類する
次に、先ほど言葉にした事実に対して、ほんの少しだけ「これは仕方ないことだったかな?」「それとも、何か別の選択肢があったかな?」と考えてみます。
- 「子供の急な発熱」→ これはどうしようもなかったこと。習慣よりも看病が優先で当然。
- 「パートの残業」→ これも自分の意志ではコントロールできないこと。その日は習慣を諦めても仕方ない状況だった。
- 「スマホを見てしまった」→ これは自分の行動によるもの。次に似た状況になったら、スマホの代わりに習慣に取り組めるように工夫できるかもしれない。(例:スマホを手の届かないところに置く、アプリの通知を切るなど)
このように、「コントロールできたこと」と「できなかったこと」をざっくりと分けることで、過度に自分を責めることを防ぎ、次に活かせるポイントがあれば、それを見つけることができます。
コツ3:「次にできる、ほんの小さなこと」を一つだけ思い描く(できれば)
原因を考え、「どうしようもなかったこと」「対策できそうなこと」が少し見えてきたら、もし気持ちに余裕があれば、「じゃあ、次に似たような状況になったら、こんな小さなことならできるかも?」というアイデアを一つだけ思い描いてみましょう。
- 原因:「急な残業で疲れてしまった」→ 次回も残業で遅くなったら、「ストレッチを5分だけにする」とか「読書じゃなくて音声学習にする」とか、ミニ習慣に切り替えることを覚えておこう。
- 原因:「スマホを見てしまった」→ 次回、習慣の時間が来たら、まず習慣に使う道具(本、マットなど)を手に取ることを一番最初の行動にしよう。
もし、この「次にできること」が思いつかなくても、あるいは今はとても考えられない状況でも、全く問題ありません。「サッと考える」こと自体が目的であり、そこから何か具体的な行動に繋げようと無理に意気込む必要はないのです。
サッと考える習慣が、再開へのハードルを下げる
習慣が急に途切れてしまったその瞬間に、ご紹介したような方法で「サッと原因を考える」ことを繰り返していると、だんだんと
- 「あ、今回はあの急な予定があったから仕方ないな」
- 「前にもこんな風に途切れた時は、次の日には再開できたから大丈夫」
- 「この原因は、以前考えたあの小さな工夫で避けられるかも?」
というように、冷静に、そして建設的に捉えられるようになります。これは、習慣が途切れることへの恐れや、途切れた後の自己否定感を減らし、再開への心理的なハードルを下げることにつながります。
完璧に毎日続けることだけが習慣化ではありません。途切れることは当たり前だと受け入れ、途切れた時にどう「リカバリー」するかを知っていること、そしてそのリカバリーをスムーズにするための小さな工夫を身につけることこそが、忙しい毎日の中で習慣を長く続ける秘訣です。
最後に:自分に優しく、焦らず、また「今日から」始めましょう
習慣が急に途切れてしまっても、あなたは全く悪くありません。日々の生活を一生懸命送っている証拠です。
今回ご紹介した「サッと原因を考える」コツも、すぐに完璧にできなくても大丈夫です。途切れたことに気づいた時に、「あ、そういえばこんな方法があるって読んだな」と思い出すだけでも十分な一歩です。
自分に優しく、決して焦らないでください。そして、また少し気持ちが落ち着いたら、「今日から、できることだけで良いから再開してみようかな」と、小さな一歩を踏み出してみてください。私たちは、そんなあなたの小さな一歩を心から応援しています。