習慣が途切れても大丈夫!再開の「最初のステップ」を事前に決めておく方法
習慣が途切れた時、「どうしよう」と立ち止まっていませんか?
日々の忙しさの中で、せっかく始めた習慣がうっかり途切れてしまうことは、誰にでも起こりうることです。読書の時間、ストレッチ、語学の勉強など、自分のための習慣を大切にしたいと思っていても、家族のこと、家事、仕事、予期せぬ出来事などで予定が狂い、気づけばしばらくできていない...。
そんな時、「あぁ、またダメだった」「完璧にできなかった」と自分を責めてしまったり、「いつから再開しようか」「何をすればいいんだろう」と、かえって再開のきっかけを見失ってしまったりすることもあるかもしれません。
一度途切れると、また始めるのが億劫に感じてしまうのは自然なことです。「またゼロからやり直しだ」と感じて、ハードルが高く思えてしまうのかもしれません。
でも、習慣が途切れてしまうことは、決して失敗ではありません。むしろ、それは「日常の変化に対応している証拠」であり、「次の再開に向けた準備期間」と捉えることもできます。大切なのは、完璧に続けることではなく、途切れてもまた無理なく再開できる方法を知っていることです。
この記事では、習慣が途切れてしまった時に「どうしようかな」と迷う時間をなくし、スムーズに再開するためのシンプルで効果的な方法をご紹介します。それは、「再開する時の『最初のステップ』を、あらかじめ決めておく」という考え方です。
なぜ、事前に「最初のステップ」を決めておくのが良いのか?
習慣が途切れた時、私たちは無意識のうちに「次は何をすればいいか」「どれくらい頑張ればいいか」を考えてしまいがちです。しかし、この「考える」という行為自体が、再開へのハードルを高めてしまうことがあります。
- 「今日は疲れているから、明日からにしようか…」
- 「以前は30分やっていたけど、いきなりは無理かな…」
- 「どこまでやったか忘れてしまったな…」
このように、様々な考えが巡り、結局「また今度」になってしまうのです。
そこで有効なのが、「考えなくても再開できる仕組み」を作っておくこと。その仕組みの要となるのが、「途切れたら、まずこれだけはやる」と決めておく『最初のステップ』です。
あらかじめ「再開する時の具体的な行動」を決めておくことで、以下のようなメリットが生まれます。
- 迷いがなくなる: 「いつから何をすれば?」という思考をスキップし、即座に行動に移りやすくなります。
- ハードルが極限まで下がる: 極めて簡単な「最初のステップ」にしておくことで、「これだけならできるかも」と感じやすくなります。
- 行動のきっかけになる: その小さな行動が、「もう少しやってみようかな」という次の行動へ自然につながることがあります。
これは、行動科学で言うところの「トリガー(引き金)」を設定する考え方に似ています。「習慣が途切れた」という状況をトリガーに、「事前に決めた最初のステップを実行する」という行動を結びつけるのです。
習慣の「最初のステップ」を決めるシンプルな方法
では、具体的にどのように「最初のステップ」を決めれば良いのでしょうか?ポイントは「極めてシンプルに、ハードルをできる限り低くする」ことです。
あなたが再開したい習慣について、以下の点を考えてみましょう。
-
何を「最初のステップ」にするか?
- それは、その習慣を始めるために最初に行う、物理的な、かつ最も簡単な行動であるべきです。
- 例:
- 読書習慣:「本を手に取る」「本のページを開く」「目次を見る」
- ストレッチ習慣:「ストレッチマットを敷く」「マットの上に座る」「立ったまま首を回す」
- 語学学習(アプリ):「スマホを取り出す」「アプリのアイコンをタップする」
- 日記をつける習慣:「ノートを開く」「ペンを持つ」
- 「○ページ読む」「○分ストレッチする」「問題を○個解く」といった「成果」や「時間」を含む行動は避けましょう。それは「最初のステップ」ではなく、その後の行動です。
-
どれくらいの時間でできるか?
- その「最初のステップ」は、1分、あるいは30秒程度で完了できるような、極めて短い時間でできることを選びましょう。
- 忙しい日常の中でも、「これくらいなら今すぐできる」と思えるレベルにすることが重要です。
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それは「いつ」実行するか?
- 習慣が途切れたと気づいた「その時」でも良いですし、「今日の夜」「明日のお昼休み」など、再開を決めたタイミングで、その「最初のステップ」を実行すると決めておきましょう。
- 特定の行動に紐づけるのも有効です。「夕食の後片付けが終わったら、『最初のステップ』だけやる」のように、既存の習慣を合図にする方法です。
例えば、あなたが「毎日寝る前に15分ストレッチをする」という習慣が途切れてしまったとします。再開のための「最初のステップ」を以下のように決めておくのです。
習慣:寝る前ストレッチ 再開の「最初のステップ」:マットの上に座る
これだけです。「よし、今日から再開しよう」と思ったら、深く考えず、まずはストレッチマットの上に座ってみる。ただそれだけです。
事前に決めた「最初のステップ」を忘れないために
決めた「最初のステップ」を実際に活用できるように、見えるところに記録しておきましょう。
- スマートフォンのメモアプリ: 習慣ごとに「再開ステップ」として書き込んでおく。
- 付箋: 習慣に関連する場所(例:本のしおりに「読む→本を開く」、ストレッチマットの近くに「ストレッチ→マットに座る」)に貼っておく。
- 手帳やカレンダー: 再開したい日のところに「再開ステップ実行!」と書いておく。
重要なのは、「再開しようかな」と思った時に、すぐにその「最初のステップ」を思い出せるようにしておくことです。
「最初のステップ」ができたら、どうする?
事前に決めた「最初のステップ」を実行できたら、それだけでもう成功です!
もし、そこで「もう少しだけやってみようかな」と思えたら、そのまま続けても構いません。でも、そこで「やっぱり今日は時間がないな」と感じたとしても、全く問題ありません。「最初のステップ」を実行できたこと自体が、途切れた習慣への橋渡しとなり、再開への第一歩を踏み出したことになります。
「最初のステップ」を繰り返すうちに、自然と以前のように習慣を続けられるようになることも多いものです。まずは「最初のステップを実行する」ことだけに意識を集中させてみましょう。
まとめ:完璧でなくても大丈夫。小さな一歩から、また始めましょう。
習慣が途切れてしまうことは、決して珍しいことではありません。そして、一度途切れたからといって、すべてが無駄になるわけでもありません。
「いつから再開しよう?」と迷った時は、事前に決めておいた「最初のステップ」を思い出してください。それは、「本を開く」「マットに座る」「アプリを起動する」といった、誰でもすぐにできる、極めて小さな一歩です。
この小さな一歩を事前に決めておくことで、再開のハードルはぐっと下がります。そして、「最初のステップ」を実行できた自分を、ぜひ褒めてあげてください。完璧にできなくても大丈夫。小さな成功体験を積み重ねることが、習慣を再び軌道に乗せる力になります。
もし、今回決めた「最初のステップ」が難しく感じたら、さらに簡単なものに変えてみましょう。あなたの日常や状況に合わせて、柔軟に調整することが大切です。
自分を責める必要はありません。いつでも「今」から、また小さな一歩を踏み出すことができます。「挫折からの習慣復活ガイド」は、あなたが無理なく、あなたらしいペースで習慣を再開できるよう、応援しています。