習慣が途切れても自分を責めない 再開に向けた心の持ち方
習慣が途切れても大丈夫 自分を責めずに再開するための心の持ち方
せっかく始めた習慣なのに、忙しさや体調不良、予期せぬ出来事などでうっかり途切れてしまった。そんな経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。そして、一度途切れてしまうと、「やっぱり私には無理なんだ」「また失敗してしまった」と自分を責めてしまい、再開への一歩がどんどん重くなってしまうこともあります。
この「挫折からの習慣復活ガイド」では、習慣が途切れた時にどうすれば良いか、実践的な方法をご紹介していますが、それ以前に大切なのは「心の持ち方」です。特に、完璧を目指してしまいがちな方や、自分を責めてしまいやすい方に向けて、習慣が途切れても心を軽く保ち、無理なく再開するための考え方をお伝えします。
なぜ習慣が途切れると自分を責めてしまうのでしょうか
習慣が途切れた時に「ダメだ」と感じてしまうのは、決してあなただけではありません。それは、多くの場合、無意識のうちに「習慣は毎日完璧に続けなければ意味がない」「一度決めたことは最後までやり遂げるべき」と考えてしまっているからです。
この「完璧主義」や「ゼロか100か」という考え方は、目標に向かう上で良い面もありますが、習慣化においては時に大きな壁となります。なぜなら、私たちの日常は完璧にはいかないからです。家族のことで手一杯になったり、急な仕事が入ったり、ただ単に疲れてしまったり。人生には、習慣を最優先できない瞬間が必ず訪れます。
そんな時、「完璧」が途切れた瞬間に「失敗」だと認識し、自分自身にがっかりしたり、責めたりしてしまうのです。しかし、習慣化の本当の目的は、「完璧な記録を作る」ことではなく、「なりたい自分に近づく」ことや「日々の暮らしをより良くする」ことのはずです。
自分を責めることの落とし穴
習慣が途切れた時に自分を責めることは、再開にとって何のメリットもありません。むしろ、以下のような「落とし穴」にはまってしまう可能性があります。
- モチベーションの低下: 自分を責めることで気分が落ち込み、「どうせ私にはできない」とやる気を失ってしまいます。
- 再開のハードルが上がる: 「また途中でやめたらどうしよう」という不安が大きくなり、次の一歩を踏み出すのが怖くなります。
- 習慣そのものが嫌になる: 習慣に取り組むこと自体が、つらい、苦しい経験と結びついてしまい、避けたくなることがあります。
つまり、自分を責める行為は、習慣を再開するエネルギーを奪ってしまうのです。
習慣が途切れても自分を責めないための心の持ち方
では、どうすれば習慣が途切れても自分を責めずに済むのでしょうか。大切なのは、考え方を少し変えてみることです。
1. 習慣が途切れるのは「失敗」ではなく「自然なこと」と捉える
習慣は、まっすぐな一本道ではありません。時に立ち止まったり、寄り道したりしながら進んでいくものです。プロのアスリートでさえ、毎日同じパフォーマンスを維持することは難しいように、私たちも常に最高の状態で習慣に取り組めるわけではありません。
習慣が途切れるのは、あなたが「ダメな人間」だからではなく、ただ「人間らしい日常を送っている」証拠です。「あ、今日はできなかったな」と、天気予報のような感覚で受け止めてみましょう。「失敗」とレッテルを貼る代わりに、「今日のところはお休み」と捉え直すのです。
2. 「完璧」ではなく「再開」に価値を置く
習慣化の本当の力は、「毎日続けること」以上に「途切れても再開できること」にあると言えます。自転車の乗り方を思い出してください。最初から転ばずに乗れた人はいないでしょう。何度も転びそうになり、実際に転びながら、それでも練習を続けることで乗れるようになります。
習慣も同じです。途切れることを恐れず、「また始めればいいんだ」という気持ちを持つことが、長期的に習慣を続ける上で最も重要です。再開するたびに、あなたの「再開力」は鍛えられます。
3. 自分に優しく、肯定的な言葉をかける
もし友達が「習慣が途切れちゃったんだ…」と落ち込んでいたら、あなたは何と声をかけますか？きっと、「大丈夫だよ」「また明日から始めればいいよ」「毎日じゃなくてもすごいことだよ」と、優しい言葉をかけるはずです。
それと同じくらい、自分自身にも優しく接してあげましょう。習慣が途切れた自分を見下したり、責めたりする代わりに、「疲れてたんだね、お休みも必要だよ」「ここまでよく頑張ったね」「また少しずつ始めてみようか」と、温かい言葉をかけてください。心の中で思うだけでも効果があります。
再開に向けた小さな一歩の踏み出し方
心の持ち方を変えたら、次は具体的な行動です。再開は、完璧である必要はありません。ほんの小さな一歩から始めましょう。
- 「1分だけ」ルールを試す: 例えば、読書なら「たった1分だけ開いてみる」、ストレッチなら「1つのポーズだけやってみる」。ハードルを極限まで下げて、「これならできるかも」と思えることから始めてみましょう。
- 場所や時間を変えてみる: いつも同じ時間に同じ場所でやっていた習慣なら、気分を変えて別の場所や時間帯で試してみるのも良い方法です。キッチンタイマーで短い時間を測ってみるのもお手軽です。
- 記録方法を柔軟に: もしカレンダーに毎日印をつける方法で自分を責めてしまうなら、記録をやめるか、記録方法自体を変えてみましょう。「○をつけられなかった日」ではなく、「お休みの日」と書く、記録アプリなら「スキップ」機能を使うなど、自分を追い詰めない方法を選んでください。
- 人に話してみる: 習慣が途切れたことを、信頼できる家族や友人に話してみるのも良いでしょう。「みんなそうだよ」「気にしないで」といった共感や励ましが得られるかもしれません。一人で抱え込まないことが大切です。
まとめ
習慣が途切れることは、決して恥ずかしいことでも、あなたがダメなわけでもありません。それは、忙しい日常の中で誰もが経験することです。大切なのは、そこで自分を責めて立ち止まってしまうのではなく、「また始めればいいんだ」と心を軽くして、小さな一歩を踏み出すことです。
完璧を目指す必要はありません。たとえ1日おきでも、週に数回でも、たとえ1分だけでも、続けること、そして再開することに価値があります。自分に優しく、「これならできる」と思えることから、あなたのペースで習慣を復活させていきましょう。応援しています。