途切れた習慣 「いつもの行動」とセットで無理なく再開
習慣が途切れるのは誰にでもあること
毎日続けようと決めた習慣も、忙しい日々の中ではつい途切れてしまうことがあります。「またできなかった…」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。家事や仕事、家族のことに追われる中で、自分のための時間がなかなか確保できない、突発的な出来事で計画が狂ってしまう、ということはよくあることです。
一度途切れてしまうと、再開するきっかけを見つけるのが難しく感じたり、完璧にやらないといけないという気持ちが重荷になったりすることもあるでしょう。しかし、習慣が途切れることは決して失敗ではありません。むしろ、ごく自然なことです。大切なのは、そこからどのように無理なく再開するかを知っていることです。
この記事では、完璧を目指すのではなく、日常生活の中に自然と習慣を再開させるきっかけを作るシンプルな方法をご紹介します。特別な準備や時間も不要な、どなたでもすぐに試せるアイデアです。
なぜ習慣は途切れやすいのか？
習慣が途切れてしまうのには、いくつかの理由が考えられます。
- 時間がない、予測不能な出来事: 忙しい日常では、急な用事や家族のことで予定が崩れることが頻繁に起こります。習慣のための時間を確保するのが難しくなります。
- モチベーションの低下: 始めた頃のやる気が続かず、習慣を続けるのが億劫になってしまいます。
- 完璧主義: 一度でもできなかったり、目標通りに進まなかったりすると、「もうダメだ」と諦めてしまうことがあります。
- 再開のきっかけがない: 途切れてしまうと、いつから、どのように再開すれば良いのか分からなくなり、ズルズルと時間だけが過ぎてしまいます。
これらの理由から、習慣は途切れやすいものです。特に、毎日決まった時間を確保するのが難しい方にとっては、よりハードルが高く感じられるかもしれません。
「いつもの行動」を再開の合図にする方法
そこでご紹介したいのが、「いつもの行動」を習慣再開の合図（トリガー）にするという方法です。これは、すでに毎日行っている、あるいは特定の条件下で必ず行う行動と、再開したい習慣を結びつける考え方です。
たとえば、
- 朝食を食べ終わったら
- 歯磨きをしたら
- 洗濯機を回したら
- パートから帰宅したら
- お風呂から出たら
- 子どもが寝静まったら
といった、日常の決まった行動を「合図」にして、その直後に再開したい習慣を少しだけ行うようにします。
この方法のメリットは、習慣のために「特別な時間を作る」のではなく、既存の生活リズムに乗せて習慣を思い出し、始めることができる点です。
具体的なステップと「いつもの行動」選びのヒント
ステップ：
- 再開したい習慣を決める: まずは、途切れてしまった習慣の中で、一つだけ再開したいものを選びましょう。最初は負担の少ない、短い時間でできるもの（例: 読書1ページ、ストレッチ1分、日記を一行など）から始めるのがおすすめです。
- 「いつもの行動」を選ぶ: 再開したい習慣を行う時間帯に近い、毎日必ず行っている「いつもの行動」を一つ選びます。その行動が、習慣を始めるための「合図」となります。
- 「合図」の直後に「少しだけ」始める: 選んだ「いつもの行動」が終わったら、考える間もなくすぐに、決めた習慣を「少しだけ」行います。
- できたらOK、自分を褒める: 「少しだけ」でもできたら成功です。できた自分を軽く褒めてあげましょう。完璧にできなくても大丈夫です。
- できなかった日も気にしない: もし「いつもの行動」があったのに習慣ができなかったとしても、自分を責めないでください。それは失敗ではなく、単にその日は合図に気づけなかっただけ、あるいはできなかっただけです。次の「いつもの行動」が来たら、また試せば良いのです。
「いつもの行動」選びのヒント：
- 毎日行う行動を選びましょう。 頻度が高いほど、習慣を思い出すチャンスが増えます。
- 習慣を行いたい時間帯に近い行動を選びましょう。 朝の習慣なら朝の行動、夜の習慣なら夜の行動と結びつけます。
- 行動の直後に少しだけ時間の余裕があるものを選びましょう。 行動が終わってすぐに次の行動に追われるようなものではなく、一息つけるような行動の後がおすすめです。
- 無理に複数の習慣を結びつけないでください。 最初は一つの「いつもの行動」と一つの習慣を結びつけることから始めましょう。
具体的な「行動トリガー」の例
- 読書を再開したい
- 「夕食後、食器を洗ってキッチンが片付いたら、ソファに座る前に本を1ページだけ開く」
- 「子どもを寝かしつけ、部屋を出たら、スマホをチェックする前に本を5分だけ読む」
- ストレッチを再開したい
- 「朝起きて着替えたら、顔を洗う前に1分だけ伸びをする」
- 「お風呂から出て体を拭いたら、保湿剤を塗る前に3分だけ簡単なストレッチをする」
- 日記やジャーナリングを再開したい
- 「寝る前に歯磨きをしたら、ベッドに入る前に今日の良かったことを一行だけノートに書く」
- 「お弁当を作り終えたら、自分の朝食の準備をする前に今日のToDoを一つだけ書き出す」
このように、「いつもの行動」と習慣を結びつけることで、再開のきっかけが明確になり、スムーズに始めることができます。
途切れても大丈夫！柔軟な再開を
習慣が途切れてしまっても、それはあなたが怠惰だからでも、意志が弱いからでもありません。それは、人生には予測できないことや、優先すべきことがあるからです。完璧に毎日続けることよりも、途切れてもまた「いつもの行動」を合図に再開できる柔軟さを持つことの方が大切です。
自分に優しく、小さな一歩から始めてみましょう。「いつもの行動」という合図を味方につけて、無理なく、そして自分を責めずに、途切れた習慣をあなたの日常に再び迎え入れてください。
まとめ
- 習慣が途切れるのは自然なこと。自分を責めないでください。
- 再開の鍵は、「いつから」と決めるのではなく、「いつもの行動」を合図にすることです。
- 毎日行っている行動と、再開したい習慣（最初は小さく）を結びつけましょう。
- 「いつもの行動」の直後に、考える間もなく習慣を「少しだけ」行います。
- できてもできなくてもOK。できた自分を褒め、できなかった日はまた次のチャンスに期待しましょう。
このシンプルで柔軟な方法で、途切れた習慣をあなたのペースで再開させてみてください。