習慣が途切れても大丈夫 目印を置いて再開を自然に思い出すコツ
習慣が途切れても、自分を責めないでください
読書やストレッチ、資格の勉強など、「よし、今日から習慣にしよう!」と始めてみたものの、忙しかったり、体調が悪かったり、思わぬ予定が入ったりして、うっかり途切れてしまった。そして、一度途切れると、なぜか再開するのが億劫になってしまう…そんな経験、あなたにもありませんか?
毎日完璧に続けることは素晴らしい目標ですが、日々の生活には予期せぬ出来事がつきものです。特に、家事や仕事、家族のことに追われていると、自分のための時間や習慣はどうしても後回しになりがちです。そして、途切れてしまった時に「また失敗してしまった」「自分はなんて意志が弱いんだろう」と自分を責めてしまう必要は全くありません。習慣は、中断されることが当たり前と考えても良いくらいなのです。
大切なのは、途切れてしまった時に、いかに無理なく、スムーズに「再開」するかです。この記事では、特別な道具や複雑な手順は必要なく、身近な「目印」を置くだけで、習慣の再開を自然に思い出すシンプルなコツをご紹介します。
なぜ「目印」を置くことが再開につながるのか
私たちの脳は、特定の「きっかけ」や「合図」と行動を結びつけることで、習慣を作りやすくします。例えば、「朝起きたらコーヒーを飲む」という習慣は、「朝起きる」という合図で「コーヒーを飲む」という行動が自然に促される例です。
習慣が途切れてしまうのは、この「合図」や「きっかけ」を見失ってしまうことでもあります。もう一度「よし、やるぞ!」と意気込むことも必要ですが、毎回自分の意志力だけで再開しようとすると、疲れてしまうこともあります。
そこで役立つのが、「目印」です。習慣に関連するモノを、再開したいタイミングで「視界に入る場所」に置いておくことで、それは無意識のうちに習慣を思い出すための「物理的な合図」となってくれます。意識的に「やらなきゃ」と思わなくても、その目印を見るたびに「あ、そういえば、これをやる時間だった(場所だった)」と自然に思い出せるようになるのです。
習慣再開を促す「目印」のアイデア集
では、具体的にどのような「目印」が考えられるでしょうか。あなたの続けたい習慣に合わせて、身近にあるものを活用するアイデアをご紹介します。
読書習慣の場合
- 次に読む本: 読みかけの本や次に読みたい本を、リビングのテーブルやベッドサイドなど、毎日必ず目にする場所に置いておく。
- しおり: 読みかけのページに挟むのはもちろんですが、その本を読む場所(お気に入りの椅子など)に、しおりや小さなブックカバーを置いておくのも良いでしょう。
- 関連アイテム: 読書中に使うブランケットや小さなライトなど、読書とセットになっているものを、読書する場所にまとめて置いておく。
ストレッチ・運動習慣の場合
- ヨガマットやウェア: 部屋の隅など、邪魔にならない範囲で良いので、ヨガマットを敷きっぱなしにしておく。すぐに着替えられるように、運動ウェアをまとめて置いておく。
- 使う道具: ストレッチポールや小さなダンベルなど、運動で使う道具を、運動する場所の近くに置いておく。
- 音楽プレイヤー: 運動中に聞く音楽プレイヤーやイヤホンを、運動する場所に置いておく。「これを見たら体を動かす時間」という合図にします。
勉強やスキルアップ習慣の場合
- テキストやノート: 勉強机の上や、キッチンカウンターなど、家の中で少し立ち止まる場所にテキストやノートを開いたまま置いておく(重要な情報が書き込まれている場合は注意が必要ですが)。
- ペン立て: 勉強で使うお気に入りのペンやマーカーを、勉強する場所の分かりやすい位置に置いておく。
- 関連小物: 語学学習なら小さな辞書や単語カード、資格勉強ならテキストの付箋を貼った部分など、少しでも手軽に取り組めるものを目につく場所に置く。
どんな習慣にも使える共通アイデア
- 付箋メモ: 「ストレッチ!」「読書タイム」「日記を書く」など、習慣の内容を書いた付箋を、冷蔵庫や玄関ドア、洗面所の鏡など、毎日必ず見る場所に貼っておく。色付きの付箋を使うと、より目立ちます。
- スマートフォンの視覚的リマインダー: 特定のアプリ(習慣トラッカーでなくても、メモアプリやカレンダーアプリでもOK)をホーム画面の目立つ場所に置く。通知を設定し、通知が来たらその内容を「目印」として再開を思い出します。
- 関連する写真や絵: 続けたい習慣に関連する写真やイラスト(例えば、目標の体型の写真、読みたい本の表紙、海外の風景など)を部屋に飾る。それを見るたびに、習慣を再開するモチベーションを思い出します。
「目印」を置く上での小さなコツ
「目印」を置くことはとてもシンプルですが、より効果的に使うためのコツがいくつかあります。
- 「邪魔にならない範囲で」: 部屋が散らかってしまっては本末転倒です。日々の生活の動線を邪魔しない範囲で、無理なく置ける場所を選びましょう。
- 「ひとつかふたつに絞る」: あまりたくさんの「目印」を置きすぎると、かえって意識が散漫になり、効果が薄れてしまいます。まずは最も効果的だと感じる目印を一つか二つ試してみてください。
- 「目印を見たら、まず小さく始める」: 目印を見ても、「今日は疲れているから無理…」と思ってしまう日もあるかもしれません。そんな時は、「目印を見たら、まずは本を1ページだけ開く」「ヨガマットの上に立つだけ」「ノートに日付を書くだけ」など、ほんの小さな一歩だけを目標にしてみてください。その小さな一歩が、意外と次の行動につながることがあります。
- 「場所とセットで考える」: 例えば、「このソファに座ったら読書をする」「キッチンのこの場所に来たら簡単なストレッチをする」というように、特定の場所と「目印」をセットにすることで、より習慣を思い出しやすくなります。
まとめ:途切れても大丈夫、優しい「目印」で再開しよう
習慣が途切れてしまうことは、あなたが怠けているわけでも、意志が弱いわけでもありません。忙しい毎日を一生懸命送っている証拠です。
大切なのは、途切れてしまった時に、自分を責めることなく、どうすればまた無理なく始められるかを考えることです。今回ご紹介した「目印」を置くという方法は、自分への優しいヒントを環境に仕込むイメージです。特別な準備や努力は必要ありません。身近にあるものを使って、習慣を再開するための視覚的な合図を作ってみてください。
「目印」を見るたびに、「あ、そういえば」と自然に習慣を思い出すことができれば、再開へのハードルはぐっと下がります。完璧を目指すのではなく、「目印を見たら、少しだけやってみる」という気持ちで、ぜひ気軽に試してみてください。小さな一歩の積み重ねが、きっとあなたの習慣復活をサポートしてくれるはずです。